今思えば「大菩薩嶺」の名前を知ったのは稜線について調べていた時だった。
稜線なんてそれこそ頑張って頑張って山登りをした後に訪れるご褒美みたいなもので、そうそう簡単に経験できるものだなんて思っていなかったけれど、そんな中「大菩薩嶺」という山は気軽に稜線歩きを楽しめるとある。しかも山小屋も多く、登る高さもそんなに高くないのでまさに登山入門編としてはうってつけ。
そんな気軽さに惹かれて実際に登ってみた。
いやあ、稜線ってやっぱりイイネ!
大菩薩嶺 概要
大菩薩嶺について簡単に表にまとめてみた。
気軽に登れる山なのに百名山だし、公共交通機関でも行けるし、2000m超えてるのに車でも行けるしで結構登山者としてはありがたい事づくし。
項目 | 情報 |
---|---|
山の名前 | 大菩薩嶺(だいぼさつれい) |
所在地 | 山梨県 |
標高 | 2,056メートル |
山の特徴 | ・日本百名山に選定されている。 ・都内からもアクセスが容易 ・初心者でも手軽に稜線歩きを楽しめる |
主な登山ルート | ・大菩薩嶺ー大菩薩峠周回コース |
アクセス方法 | ・車:中央自動車道勝沼ICから約19kmで上日川峠駐車場へ ・バス:JR中央本線甲斐大和駅から栄和交通バスで約49分 |
注目ポイント | ・気軽に稜線歩きを楽しめる |
大菩薩嶺ー大菩薩峠周回コース
今回登ったコースは「ロッヂ長兵衛」を起点に、「福ちゃん荘」分岐の大菩薩嶺に登頂からの大菩薩峠をぐるっと回って楽しむ周回コース。
大菩薩嶺を登るってなったらほとんどの人がこのコースを選択する王道コース。
まずは「福ちゃん荘」分岐の急登を登り切ってからそのあとじっくり稜線を楽しむ流れになっている。
大菩薩嶺 登山レポ⛰️
大菩薩嶺は手軽に爽快な稜線歩きが楽しめることで有名な山。さらに百名山にも数えられ、都心からのアクセスも良好。登山道には要所に山小屋もあり、緊急時にも頼れる場所が複数あることも安心。そんなことから登山初心者にもオススメの山だ。
ロッヂ長兵衛
大菩薩嶺の登山はここからスタート。
ロッヂ長兵衛にはバス停もあって、公共交通機関を利用してくる人はここからスタートになるみたい。ぼくはこの日は車で行ったのだけれど、だいたい午前10時くらいに到着してちょうど帰りの人たちと入れ違いになって第二駐車場に停めることができた。ラッキーだったな。
ロッヂ長兵衛のすぐ隣にはトイレもあって、登山前に済ましている人が多い印象。山小屋にも飲み物を売っていたりしたので、ここで補給しても良さそうだった。
早速登り始めるわけだけれど、この日はGWというのもあってかなり大盛況だった。快晴の木漏れ日の中登山できるのはめちゃくちゃに気持ち良い。
ロッヂ長兵衛から福ちゃん荘に向かうまでの間はしっかりと整備された登山道で危険箇所もなく、のんびりと登ることができる。
福ちゃん荘
だいたい20分くらい登ると山小屋「福ちゃん荘」が見えてくる。
ここは”ほうとう”とか”馬刺し”とか山梨の名物が味わえる山小屋で登山が終わった後ここで昼食をとっても良さそう。
またここにもトイレがあるので安心。トイレはこの「福ちゃん荘」から先は「介山荘」までないので済ませておくのがオススメ。
「福ちゃん荘」の隣には大菩薩嶺のマップが置いてあって、今回の大菩薩嶺を先に登頂するルートだとマップの左側の登山道を行けば良い。
大菩薩嶺は人気の山ということだけれど、単純に山に魅力があるのはもちろん、こういった色々な山小屋があって、食べ物とかも楽しめるのも魅力のひとつかもしれない。
大菩薩嶺
「福ちゃん荘」を後にここからは大菩薩嶺を目指す。
この日は本当に天気が良くて、木漏れ日の中登山を楽しむのは本当に心地よかった。
途中、木々の向こうには八ヶ岳が見えて、冠雪の山々はまだ冬を引きずっているようで、この日は汗ばむくらい暑い日だったのだけれど、やっぱり山は季節が巡るのが遅いんだなあと思った日だった。
道幅が広いので混雑していてもすぐに抜かせられるくらいに余裕があるから登っていて全く苦じゃなかった。むしろ、写真を撮ったり、休憩をしたり、自分の好きなタイミングで好きなことができるのでかなり余裕を持った山行ができた。
途中途中振り返ると山梨の街並みを一望できる。いつの間にか自分がこんな高いところまで登ってきたのかと驚くほどで、この日はとにかく晴れやかで、見渡す限りの山々が生き生きとその緑を見せつけていた。
雷岩
ひとしきり登り道を終えると雷岩という大きな岩が現れる。
ここでは人々が思い思いに昼食をとっていたり、写真を撮っていたりとのんびりと過ごしていた。ぼくはこの後大菩薩嶺登頂を目指すので横目に通りすぎるわけなのだが、ちょうどお昼どきというのもあってかなり混雑していた。
あとであそこに見える岩のところで昼食をとろう。そうしよう。
大菩薩嶺
雷岩から横に入った登山道をしばらく登ると割とサクッと登頂。
噂に聞いていた通り、頂上はほとんど眺望がない。
先ほどの雷岩の方がよっぽど(というより本当に絶景だった)景色が良い。
雷岩の混雑からか、ここ頂上でお昼を食べているグループもあったのだが、この辺りは大して広くもないのでやっぱり雷岩の当たりで休憩をした方が良いと思う。
戻ってくると先ほどの混雑がある程度解消されていて、ぼくも岩に腰掛けて昼食を取ることに。
今回食べたのは”The Small Twist”のミートソース・パスタ。
これ本当に驚くほど美味しくて声出た。お湯で戻すだけのドライ食品なのだけれど、普通に適当な弁当とかよりも美味しくてびっくりした。
パスタを食べて、コーヒーを飲む。岩に腰掛けてのんびりしていると山肌に鹿がいるのが見えた。彼はずいぶんと人慣れしているようで、登山客の方へじわりじわりと草を食みながら近づいていく。ふと何かを思い出したように山の中へ消えて行った。自分は山の中にお邪魔していることを改めて思う。
介山荘
昼食を終えて、いよいよメインの大菩薩峠を楽しむ。
ここは写真でよく見る稜線歩きができる箇所で、最初に雷岩まで登ってしまって、あとは稜線歩きを楽しみながら下山する、というコースが大定番。例にならってぼくもそれに続く。
そしてこれが定番な理由も頷ける。
まず雷岩からの景色が絶景なのはもちろんなのだけれど、その絶景に向かって稜線を歩くことができるのがとにかく心地よい。
福ちゃん荘
介山荘からの帰り道は木々の間のハイキングとなる。苔むした岩がゴロゴロ転がっているような、湿り気が心地よい樹林帯で火照った体がクールダウンされていく。
眺望こそないけれど、木々の間を縫うように歩くのも悪くない。
しばらく歩いて「福ちゃん荘」まで戻ってきた。
ここではアイスコーヒーを飲んでくつろいでいる人、おほうとうを食べている人、大菩薩嶺を満喫して休憩をとっている人たちが多かった。
ぼくはといえばもう帰る時間なので、次来た時にはここでアイスコーヒーを飲もうと思う。
ロッヂ長兵衛
福ちゃん荘からロッヂ長兵衛は来た道を戻るようなかんじになる。
下り調の山道は登りとは違って周りの景色を見る余裕がある。個人的には映画のエンドロールとよく似ていると思う。大菩薩嶺の思い出を味わいながら、残り短い山道をじっくりと下る。
稜線沿いを歩いているのも楽しいけれど、こう帰り道も悪くないのだ。
のんびり降っていると最初の登山口にまで着いた。ここ、ロッヂ長兵衛はバス停もあるのでバス待ちの人たちで賑わっていた。
途中おしゃべりをした親子がいたのだが、彼女らはバスで来ているらしく、わりかし長い列の最後尾でドリンクを飲んだりしていた。ぼくが車で帰る時にふと目をやると、どうやら1便では間に合わなかったようで、彼女らはまだ列の途中にいた。
もしかすると乗れる人数もそう多くないのかもしれない。バスで行こうと考えている人は時間に余裕を持って行動した方が良さそうだ。
登ってみた感想
実際にハイキングしてみると、登りも少なくほとんど稜線歩きだったのでこれといって疲労感も少なく済んだ。登りも最初だけで、あとはずっとゆる〜い下り基調の稜線歩きだったので、なるほどこれは初心者でも安心。
山小屋も多く、トイレも点々と設置されている。多くの山だと利用料を取るところがほとんどだけれど、大菩薩嶺にはそういうのが見当たらなかったな。もしかして見落としているだけかもしれないので、登る前には小銭の用意があるといいかも。大体1回あたり100円くらい入れておけば大丈夫。
それと雷岩あたりで昼食をとる鉄板コースは絶対外せない。天気の良い日なら八ヶ岳まで見渡せる絶景は本当に最高なので気になっている人は是非試してほしい。
これから大菩薩嶺に登る人へ ⚠️👀
トイレがたくさんあるので安心
登山を楽しむ上でトイレ問題は割と付いて回るもの。
大菩薩嶺は要所要所でトイレもある山小屋が多いのでその辺は安心かも。トイレ問題が不安な人や登山初心者でも安心して楽しむことができる。
バス待ちは時間が結構重要
大菩薩嶺はバスでも行ける百名山だが、その分人気はものすごい。
特に帰りのバスはピークの時間になると列に並んでもバスに乗れないなんてこともあるみたいなので公共交通機関を利用して登山する場合は時間に余裕を持って行動しよう。
登山の後も楽しめるスポットがたくさん
登山口である上日川峠から帰りは411号線を南下していくのだが、411号線沿いにはぶどう狩りを楽しめたり、山梨の名物である「ほうとう」が食べられる店が多い。
大菩薩嶺には車で行くのがオススメ。
百名山4/100⛰️を終えて
大菩薩嶺に登ってみて百名山を4座終えたけれど、これまでの山が本当にどれも個性的で前よりもずっと登山にハマってしまった。
2000mを超える山なんて本当に最近登り始めたばかりなのだけれど、そのどれもで景色が違うし、空気が違うし、なんなら太陽も違う気さえしてくる。
だけれどどれにも言えることだけれど、登山は本当に気持ちいい!
百名山を100座制覇するのもひとつの目標だけれど、単純に登山の気持ちよさに身を任せてもいいのかもしれないと思う今日この頃。
快晴の中の稜線はクセになるね
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