そういえばこの間、友達に勧められて「ゆるキャン△」を見た。女の子たちが本当にゆる〜くキャンプをするだけのアニメなのだけれど、それがまたいい。
シナリオに起伏があるわけでもなく、ピンチに陥ったりハラハラすることもないただただ単調なキャンプ好きの女の子たちが、本当にただただのんびり過ごすだけのアニメ。これが良い感じにぼーっと見れるからめちゃ心地いい。
その中で登場人物の一人、リンちゃんが霧ヶ峰に行くシーンがある。そこで彼女は「ボルシチ」を食べるわけだけれど、それがまためちゃくちゃに美味しそうなわけで。
そういうことで行ってきました。霧ヶ峰。美味しいボルシチを目当てにね。
霧ヶ峰概要
名前 | 霧ヶ峰 |
場所 | 長野県、諏訪湖の北東 |
標高 | 1925m |
難易度 | 登山道は舗装されていて易しい |
アクセス | ビーナスライン |
駐車場 | 車山高原駐車場 |
長野県は諏訪湖の北東に位置する百名山「霧ヶ峰」。
霧ヶ峰とは山の名前ではなくてあのあたり一帯の高原のことを指して言う。「霧ヶ峰」と名のつくくらいなので朝晩の霧がすごく、道中もかなり濃い霧の中で鹿の目が光って見えてめちゃくちゃビビった記憶。
そんな「霧ヶ峰」は一番高いところで車山の1925m。そのあとはなだらかな高原が広がっており、絶景のハイキングを楽しめる初心者にも易しい百名山だ。
また「霧ヶ峰」はアクセスが良いことでも知られている。ビーナスラインを登っていくと「車山高原駐車場」が見えてきて、そこはかのリンちゃんがボルシチを食べたことでも知られる「ころぼっくるひゅって」からほど近い。
初心者にも易しい百名山の登山口でもあるし、ビーナスラインの休憩でランチを食べる人たちもいるしで休みの日はかなりの混雑を見せので向かう時間には要注意。
今回のコース
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今回は車山を通って八島ヶ原湿原を周回する「霧ヶ峰」大満喫コース。
登山口である「車山高原駐車場」からもさほど登らないので、5時間程度行動していても獲得標高は500m弱。それくらいにゆるいハイキングが楽しめるのも魅力。たまにはのんびりハイキングも悪くない、
時間も大体5時間程度で、朝出発すればちょうど良いくらい。途中でもし疲れてしまっても山小屋も多いので安心してハイキングが楽しめるのも「霧ヶ峰」の良いところ。
とはいえ日没には気をつけたい。霧ヶ峰の登山道はもちろん街灯なんてものはないので、早めに出発するか早めに帰るかのどちらかを意識してハイキングを楽しもう。
「霧ヶ峰」登山レポ 🏔️
車山
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朝5時くらいに山小屋「ころぼっくるひゅって」を出発する。
その横には簡易トイレもあり、用を足してから今回のマップを確認する。まず最初は「車山」と呼ばれる霧ヶ峰の中でも一番高い山に向かって登っていく。とは言っても1925m程度で、駐車場は1820mくらいに位置しているのはそこまで登る標高はない。
今回は霧ヶ峰一帯を散策する感じになる。あまりガッツリ獲得標高を稼ぐというよりものんびりハイキングを楽しみたい人にはうってつけだ。
朝日が昇り始めている。
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草原がオレンジ色に染め上げられ、眩しい太陽がぼくを照らす。辺りはすでに雲海が広がっていて、時折少し肌寒い風がぼくの隣を走り去った。
コースには大小様々な石が転がっていて、危なくはないが、間違えて大きい石に足をかけるとそれが転がって転びそうになる。慎重に、そして丁寧に、車山の頂上を目指す。
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車山頂上には大きな丸いドーム型の建物がある。「気象レーダー観測所」だ。雨や雪の強さを測っているらしい。ぼくたちが普段目にする気象情報なんかはこういう大きな施設の情報をまとめたものだ。
それくらいに辺りにはレーダーを邪魔するようなものもなくてそれはもう絶景がどこまでも続いていくことを意味していた。
遠くには富士山が青く輝いている。そこまで続く街はまだ雲の下だった。
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展望台が設置されているくらい絶景が広がっており、ここまではロープウェイ(この日は動いていなかった)でも登って来れるくらいにお手軽な景勝地だ。
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蝶々深山
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車山を一旦降りて、次は蝶々深山(ちょうちょうみやま)に向かう。
この蝶々深山、とにかく向かうまでの道中が広い。辺り一面がどこまでも続いていそうな草原で、向かってくる風の輪郭が草を押し退けてあらわになる。
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背の高い植物も少なく、誰もいない世界の真ん中に取り残されたような、そんな錯覚に陥るくらいに果てしない草原だった。
蝶々深山に向かうまでは木張の登山道が用意されていて、それを踏むとギシっと軋んだ音を立てる。カサカサという草が揺れる音、流れる雲はいつもより早く見えた。
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そびえ立つ蝶々深山はどちらかというと山というよりも丘と言ったほうが近い気がした。
とはいえ頂上まで続く岩の階段を登るのは少ししんどくて、途中休憩を挟んで持ってきていたスポーツドリンクをひとくち飲んだりした。
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途中ひとつの大きな岩があり、そこに腰掛けて今まで登ってきた階段を振り返ってみる。
そこには今まで通ってきた木張の道がか細く見え、壮大に感じた草原も数々の丘だったことがわかるくらいに隆起と陥没の繰り返しであったことがわかった。
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しかしそれらはとてつもなく広く、吹き上げてくる風には一切の不純物がなかった。
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八島ヶ原湿原
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元来よりそのままの姿を残している「八島ヶ原湿原」昔のままの姿で、何ひとつ人の手が加えられていないありのままの湿原。
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それはモネを思わせるような朧げな色彩の湿原で、奥ゆかしい植物の淡い花々が織りなす景色は赤や青といったシンプルな三元色では言い表せない不思議な景色が広がっていた。
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遠くになるにつれてその色は互いに溶け合って、名前のない色彩でぼくの頭を埋め尽くした。広大な湿原を駆け抜ける風は、草木を揺らしてその色の微妙なニュアンスをかき混ぜる。それはゴッホが描く時空を目の当たりにしているようだった。
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「ころぼっくるひゅって」でボルシチセットを食べる
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車山高原駐車場から程近いカフェ「ころぼっくるひゅって」。ここでは名物のボルシチのセットを食べることができる。
ここのボルシチ、過去には「ゆるキャン△」のリンちゃんが食べたことでも有名。彼女が座ったのは薪ストーブの近くの席だったが、おすすめとしては霧ヶ峰を眺めることができるテラス席。
大きな丘のような連続が眼前に広がっており、遠くには登山客が米粒くらいの大きさに見える。
自分が歩いてきた道のりや、雄大な霧ヶ峰に思いを馳せながら食べるボルシチはまさに絶品だった。トマトの甘さとクリームチーズの酸味が疲れた体によく沁みた。
登ってみた感想
霧ヶ峰、登山というよりもハイキングで、辛い場所も危険な箇所もないので初めての百名山にチャレンジする人にはとてもオススメ。手軽なのに山の魅力を存分に味わえるし、アクセスも良いから友人と一緒に行くのにもとても良いと思う。
コースとしては車山から登る今回のぼくと同じようなコースがおすすめ。まずは一番標高の高い車山を制覇してそこからのんびりハイキング。あとはゆったりと湿原の周りを一周して、「ころぼっくるひゅって」に帰ってきたら忘れないうちにボルシチを食べる。これが大事。
それに登山口に近い「車山高原駐車場」は広いし、道中のビーナスラインも北上するには広くて車を走らせやすい。ただ夜行くとなると霧ヶ峰の名の通り霧がすごくて前が見えないので注意。
全体として登ってみた感想としてはかなり初心者向けのコースで、体力に自信がなくとも問題なく楽しめると思う。途中にも離脱コースもあるし、山小屋も道中にいくつかある。
逆をいえば体力に自信のある人や、登山にある程度ボリュームを求める人には少し物足りないかも。
これから霧ヶ峰を登る人へ ⚠️👀
「ころぼっくるひゅって」はめちゃくちゃ混む
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やっぱりここはとても大人気。
ビーナスラインの中腹にあるということや、駐車場も用意されていること、それと近年のキャンプブームの火付け役「ゆるキャン△」の影響もあってお昼時の「ころぼっくるひゅって」はめちゃくちゃに混む。
ぼくはお昼ご飯をここのボルシチを食べようと思って登山コースを組んでいたのだが甘かった。多分1時間くらいは並んだんじゃないかな。
登山客以外にもドライブで来ている人などもいるので混雑は覚悟の上で行く必要がある。それにボルシチは数量限定なので、やっぱりお昼前には行くくらいで登山コースを組んだ方がよさそう。
それだけ並んでもやっぱり霧ヶ峰を眺めながら食べるボルシチは本当に美味しいのでぜひ行ってほしい。
山小屋はいくつかある
今回のコースには山小屋(?)がいくつかある。まずはぼくがボルシチを食べた「ころぼっくるひゅって」、八島ヶ原湿原の近くには「八島山荘」、「ヒュッテ御射山」。そこから車山方面に向かう途中には「ヒュッテジャヴェル」。
霧ヶ峰巡回コースは登り降り自体は少ないものの距離は長いので流石に疲れる。そんな時はいつでも休憩できる山小屋が霧ヶ峰には多いので初心者や体力に自信のない人でも安心。
夜や朝方は霧がすごい
霧ヶ峰はその名の通り霧がすごい。
ぼくは夜1時頃「車山高原駐車場」に向かったのだが、その時には本当に霧がすごかった。 10m先もよく見えないくらいの濃霧で、それだけであればよかったのだが、なんと鹿まで出る始末。
歩道の奥から光る目が霧に阻まれて淡く光っているのを見て、霧が濃いことよりも鹿が飛び込んでくるんじゃないかと恐れ慄いた。
夜や朝方は霧にも鹿にも注意!
百名山 2/100 ⛰️ を終えて
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前回の「金峰山」と比べてやはり霧ヶ峰はかなりハイキングみが強い感じがした。
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一番登るところでも車山の登りくらいで、あとはずーっとなだらかな坂を散歩している感覚。これはこれでのんびりしていてとてもよかった。
天気にも恵まれて、遠くの遠くまで見渡しながらするハイキングは心の澱みのようなものも洗い流してくれるような気がして、気持ちが晴れやかに新鮮な空気で循環されているような心地よさがあった。
標高の高いパノラマが見れるというよりは、霧ヶ峰自体がそもそも標高が高いのでずっと絶景の中散歩ができた。前も、後ろも絶景という360度パノラマの中爽快なハイキングが堪能できたこの経験は、きっと自分の中での山の魅力のひとつになった。
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空の上を散歩している感覚! 吹き抜ける風が本当に心地よかった
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